悪党芭蕉(嵐山 光三郎)★☆☆☆☆ 3/24読了

「俳聖」という名の商品と化した芭蕉。しかし、その弟子は裏切り者あり、斬殺犯あり、流罪者ありの危険人物ばかり。しかも句作には危険な秘密がこめられ…。神格化され「宗教」となった芭蕉の真実の姿を描く、画期的芭蕉論。


芭蕉は「俳聖」なんかじゃなくて実は悪党なんだよということを例証をあげながら説明していってくれるのかと思えば実はそうでもないのだ。途中まではいいのだが、途中から『猿蓑』の話になったり、弟子たちの話になってしまう。しかも、連載していたからなのか、話の重複が多い。色々な文献を調べたんだろうなということはよく分かるが、調べたことを発表しているだけでは読み物の体をなしていない。膨大な文献に当たったということを読者には分からないように、あくまで読み物として読みやすくしていなければ研究論文と変わりない。図書館で借りた本なので、途中からは飛ばし読みだった。もうちょっと面白い本だと思っていたのにな。残念だ。

悪党芭蕉
悪党芭蕉嵐山 光三郎

新潮社 2006-04-22
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