志の輔らくご in PARCO 2007 其の参 パルコ劇場

席は中段の左側。まあまずまずの席か。舞台は脇や後方の壁が全て落ち着いた赤で塗られている。中央に正方形の台があり座布団が1つ。シンプルな舞台装置である。いつも「昨日までの公演は今日のお客さんのためのリハーサルでした」というマクラを振るのだが、この日は最前列に空席が1つあるのを見て、「きっと夜の公演と間違えたんでしょうねえ」と言っていた。
この先は演目等を書くので、畳んでおきます。
一席目は「七福神の新年会」。志の輔のちょっとした隠し芸が連発で見られる。二席目は「蜆売り」。蜆売りの子どもが主人公の人情噺だ。中入後はお待ちかねの「狂言長屋」。この落語の途中で舞台が早変わりして実際の狂言が演じられる。奥には鏡板の代わりが出てきてちゃんと老松が描かれており、その前には笛・鼓・太鼓の囃子の3人控えている。そして登場したのがなんと茂山千三郎。去年の横浜能楽堂での「志の輔こらぼ」でも見たが、ここで茂山千三郎が出てくるとは贅沢だ。後から志の輔も出てきて2人で狂言を演じるのだが、やはりプロは違うね。発声が全然違うんだよな。初めて狂言を見た妻もすっかり魅了されていた。この狂言はあくまで落語の中での話なので、狂言が終わるとまた舞台が元に戻って話が落語に戻る。これがなかなかドリフのようで面白かった。
最後は志の輔を中心に左右に三味線、長唄、千三郎、お囃子の人たちがずらっと並び、志の輔が一人ずつ名前を紹介していく。よくみんなの名前を覚えているなと思ったら、最後の一人だけ名前が出てこない。どうするのかなと思ったら、その人の方を向いて「失念致しました」と謝ったから笑った。「小さな声で教えて」と教えてもらってから改めて紹介した。
三味線、長唄、お囃子の音頭で三本締めをしてお開き。豪華な三本締めだった。去年に引き続き、全公演完売で追加公演までやっているから、来年もまた一ヶ月公演やるかもしれないな。そうしたらまた来たいね。