リトル・ミス・サンシャイン ★★★★☆ シネクイント

独自の成功論を声高に振りかざすが自分は甲斐性ナシの父、家族を嫌って沈黙を続ける兄、ヘロイン中毒で強烈な毒舌の祖父、失恋が原因で自殺を図ったプルースト研究家のおじ、そんなバラバラの家族を必死でつなぎとめようとする母・・。寄ればケンカが始まる彼らの、珍道中を描いたロード・ムービーだ。クチは悪いが、実はナイーブな家族の触れ合いに胸をくすぐられるが、絶妙に“笑い”が織り込まれており、軽口でしんみりしすぎない。監督は長編初となるデイトン&ファリス夫婦。主演のアビゲイル・ブレスリンは、子供用ファット・スーツを着込んで幼児体系のオリーヴを好演した。全米でも小規模作品ながら異例の大ヒットを記録した注目作!

上映時間:100分
監督:ジョナサン・デイトンヴァレリー・ファリス
脚本:マイケル・アーント
音楽:マイケル・ダナ
出演:グレッグ・キニアトニ・コレットスティーヴ・カレルアラン・アーキンポール・ダノアビゲイル・ブレスリンブライアン・クランストン 、マーク・タートルトーブ 、ベス・グラント

最初に結論を書いちゃうけど、この映画は超オススメです。映画館で観るのが無理であれば、DVDが出たときに是非レンタルして観て欲しい。

「ロード・ムービー」+「家族の再生」というベタな設定なのだが、「リトル・ミス・サンシャイン」という美少女コンテストに出るために出掛けるところとか、家族それぞれの設定に類作にはないユニークさがある。細かいエピソードも満載で、どれも印象深い。道中、フォルクスワーゲンのミニバスが故障し、ドライバーのパパ以外の5人が車を押さないとエンジンが掛からなくなるという羽目に陥る。このときに初めて家族が1つになる兆しが見え、以降押し掛けするたびに家族の絆は深まっていく。この設定がうまかった。それと、モーテルに泊まったときに同室になった長女オリーブとおじいちゃんのやり取りも印象的だ。オリーブは部屋を出て行きそうになるおじいちゃんに「グランパ」と呼びかける。少し話をして、またおじいちゃんが出て行きそうになると「グランパ」と呼びかける。これを三度繰り返す。ここでの話の内容はあえて書かないが、この「グランパ」という呼びかけがとにかく可愛かった。