渡辺竜王勝って2勝2敗のタイに

将棋界の最高位を争う第19期竜王戦読売新聞社主催)、渡辺明竜王(22)と挑戦者・佐藤康光棋聖(37)の七番勝負第4局は29日から愛知県豊田市のホテルフォレスタで行われていたが、30日午後5時18分、渡辺が97手で勝ち、対戦成績を2勝2敗とした。

私は「ゴキゲン中飛車」の定跡は全然知らないのだが、欲張った手とされる先手渡辺竜王の▲5八金に対して、△5五歩の決戦に持ち込まずに△9四歩と突いた手が弱気だったようだ。序盤早々馬ができては先手の方がいいだろう。その後、佐藤の疑問手もあって、渡辺竜王が順当に押し切った。

終盤▲6八歩と受けた手に対して、「ええっ?! 渡辺竜王らしからぬ弱気ですね。弱気どころか悪手に近いものがあるのではないでしょうか。これは大変ですね」と言っていた藤井九段が、感想戦では「いやあ、盤上この一手の好手でした。考えてみればいかにも渡辺竜王らしいですね」に早変わりしていたのには笑った。こういったエピソードも読める「竜王戦中継ブログ」は非常に有意義だ。

竜王戦は中部対局を制する者がシリーズを制す」というジンクスがあるそうだが、本局に勝った渡辺竜王がシリーズも制することができるのか否か。6、7日に滋賀県長浜市の「浜湖月」で行われる第5局が非常に楽しみになってきた。