世間の人は本当のことを知りたがり、世の中には本当風のことが溢れている。ストーリー、つまり嘘を書き続けることに疲れた作家の「僕」は、本当のことだけを書く「真実真正日記」をつけはじめる・・。『本』連載を単行本化。
「苦虫」のような、いつものエッセイ風の日記なのかと思ったらちょっと違う。筆致も変えてある。日記風だが、一話完結というわけでもなく話はつながっていくので、途中だけを読んでもなんのことやら分からないだろう。
まあとにかく笑えるのはいつも通り。作家でありミュージシャンでもある「僕」が書いている『悦楽のムラート』という小説の話やバンドの話が出て来るのだが、バンドの名前を決める箇所がとにかく笑えた。会社の昼休みに読んでいたのだが、吹き出しそうになるのをこらえるのが大変だった。
関係ないが、私はこの本を読んで「馴致」という言葉を初めて知った。
真実真正日記 | |
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