男は敵、女はもっと敵(山本幸久)★★☆☆☆ 4/20読了

才色兼備でAクラスの女、高坂藍子36歳。元夫、不倫相手、さらにその妻にその息子・・。台風の目のようなひとりの女と、彼女をめぐる普通すぎる人々を描く、ちょっぴり哀しく、おもしろオカシイ6つの連作小説。

最初の「敵の女」から既読感は漂っているわけだが、次の「Aクラスの女」に至ってはこうだ。

真紀が出社するのは昼前だ。その時間でも事務所にはまだだれもおらず、ひとり簡単な掃除をしてから、自分の席につきパソコンを立ちあげた。
いまやっている仕事は、製薬会社で販売している黒砂糖飴の販促用のポスターデザインだ。

なんだこれ。まんま『凸凹デイズ』じゃないか。というわけで、本作は『はなうた日和』のいくつかのエピソードと『凸凹デイズ』を融合した、言ってみれば二番煎じというか焼き直しである。ちょっと読んでてガックリ来たなあ。
もし、山本幸久の本を読んだことがなくてこの本から読もうとしているのなら、それはやめた方がいい。『はなうた日和』と『凸凹デイズ』の方が面白いから、そっちを先に読むべきだ。まあ、私もこの3冊しか読んだことないんだけどね。

男は敵、女はもっと敵
男は敵、女はもっと敵山本 幸久

マガジンハウス 2006-02-23
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