浄土(町田康)★★★☆☆ 10/29読了

THIS IS PUNK!
いま、ここに浄土があらわれる。破天荒なる暴発小説集

あなたはどぶに立ち汚辱にまみれて立ちつくしている一個のビバカッパをちゃちゃちゃんと見なければ。凝視して、そして笑わなければあかぬかったのだ。――<『どぶさらえ』より>
●高慢な男の虚飾がはがれた瞬間……『あぱぱ踊り』
●建て前が存在しないすがすがしい街……『本音街』
●ありふれたオフィスで起こったとんでもない事件……『自分の群像』――他、全7編収録

またもや町田節炸裂である。もはや余人の追随を許さないな。一見無茶苦茶を書いているようだが、実はしたたかな計算がある。例えば、「ギャオスの話」。東京中野区にギャオスと命名された怪獣が突如出現し、建物は壊すわ、人間を食べるわ、脱糞するわで大変なことになる。ネタバレになるので書かないが、そのあと色々あって、結局「人々にとってギャオスは日常の光景と」なる。一見、無茶苦茶の典型のような話だが、「ギャオスって一体何?」「もしかして米軍のこと?」などと考えていくと、意外に深いので驚かされる。

浄土
4062129868町田 康

講談社 2005-06-06
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star自分の周りのいやなやつ。
starビバ カッパ!

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