『ニューヨーク大聖堂(下)』(ネルソン・デミル)★★★★☆ 8/5読了
マンハッタンの象徴・聖パトリック大聖堂が、年に一度の大パレードの最中、武装集団に乗っ取られた。人質は美貌の元テロリストや要人達。いち早く現場に到着した警部補バークは犯人にまみえるが・・・・・・。予告爆破時刻まで12時間、NY市警の死力を尽くした奪還作戦が始まった。名匠デミルの若き才能煌く傑作。
こういう「乗っ取りもの」の場合、どこを乗っ取るのかが重要だ。その点「聖パトリック大聖堂」は、意表を突くという意味でも舞台装置という意味でも最高の選択に近い。但し、日本人には普通馴染みがないだろう。本にも平面図は載っているが、それだけではイメージが湧かない。外観や内部構造がどうなっているかを知れば知るほどこの小説は面白さを増すので、是非グーグルでイメージ検索してみてほしい。ちなみにココなんかは結構参考になる。大都会の真ん中にこういった昔風の建築物がある様はなかなか壮観だ。
肝心の物語の方であるが、最初はちょっと取っつきにくい。しかし、聖パトリック大聖堂を乗っ取ったあたりから俄然面白くなってくる。私はネルソン・デミルの小説を初めて読んだが、「ページ・ターナー」の異名は伊達ではなかった。長い話だが、一気に読ませる力がある。これは、ネルソン・デミルの他の小説も要チェックだな。
ニューヨーク大聖堂 (上) | |
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ニューヨーク大聖堂 (下) | |
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