黒牢城(米澤穂信)★★★☆☆ 6/19読了

本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の智将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の集大成。『満願』『王とサーカス』の著者が辿り着いた、ミステリの精髄と歴史小説の王道。

積読になっていた本書を大河ドラマに触発されてようやく読んだ。有岡城の土牢に幽閉された黒田官兵衛安楽椅子探偵に見立てたアイディアが素晴らしい。しっかりミステリーでありながら、重厚な歴史小説でもあるという二刀流。有岡城荒木村重黒田官兵衛などをネットで色々調べなから読み、背景を知るに連れ面白さも増した。史実とミステリーの融合は、読み応え十分だった。