あたらしい、ひび@THE CAVE

二年目のひびのメンバーと出会ったときに、「あたらしい、ひび」の、と紹介されたのを憶えている。そのときの、「あたらしい、ひび」という響き。まだいちども見たことのない季節が訪れたような瞬きと。または、もう過ぎ去ってしまった時間のざらつき。その両方をかんじたのだった。


2018.8.13 藤田貴大


<メンバー
伊藤眸 乾真裕子 梅崎彩世 太田順子 小川沙希 小西楓
近藤勇樹 櫻井碧香 佐々木美奈 佐野明日奈 猿渡遥
高橋明日香 豊川弘恵 中村夏子 難波有 南風盛もえ
的場裕美 宮田真理子 山林真紀子 森崎花 渡辺ひとみ 渡邊由佳梨


<会場>
THE CAVE
神奈川県横浜市中区伊勢佐木町1-3-1-B1F (最寄駅:JR「関内駅」より徒歩5分


マームとジプシーというか正確にはマームとジプシーの新しいプロジェクトとして2016年6月に始動した「ひび」の公演が伊勢佐木町であると知り、どこでやるんだろうと思っていたら、伊勢佐木モールの入り口にある「イセビル」の地下をリノベーションした「THE CAVE」という施設だった。何度も前を通っているのに全然知らなかったのは、普段は「伊勢佐木バル333」という飲食店だったから。クリエイターやアーティストが使う際は、バルの営業とバランスを取りながら、「The CAVE」として空間を無償提供する、ということになっているらしい。全然知りませんでした。


ぎりぎりまで29BYにいたので、上演直前に会場入り。思った通り会場は狭い。席はほとんど埋まっていたので、下手側の横から見る席に座った。小作品がいくつかある中で、観たのは藤田貴大作・演出の『あたらしい、ひび』。20人以上の俳優が入れ替わり立ち替わり前に出てきて演技する。まあ、内容はあってないようなもの。だから何なんだ感はハンパないのだが、生身の人間が目の前で演じているという手触り感はなかなか悪くなかった。