魔犬の呪いで妹を失った三きょうだいは、ママと一緒にパパが残してくれた別荘に移り住む。そこで彼らはオパール、琥珀、瑪瑙という新しい名前を手に入れる。閉ざされた家の中、三人だけで独自に編み出した遊びに興じるなか、琥珀の左目にある異変が生じる。それはやがて、亡き妹と家族を不思議なかたちで結びつけ始めるのだが……。
今まで数々の小川洋子ワールドを堪能してきたが、これはその極致とも言える作品だな。美しも悲しい独特の世界観は、好き嫌いがあるとは思うが、私は小川洋子の小説はもっと評価されてしかるべきだと思う。同時代に生きて、彼女の小説が読めることに感謝したい。
琥珀のまたたき | |
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