低地(ジュンパ・ラヒリ)★★★☆☆ 9/5読了

若くして命を落とした弟。身重の妻と結ばれた兄。過激な革命運動のさなか、両親と身重の妻の眼前、カルカッタの低湿地で射殺された弟。遺された若い妻をアメリカに連れ帰った学究肌の兄。仲睦まじかった兄弟は二十代半ばで生死を分かち、喪失を抱えた男女は、アメリカで新しい家族として歩みだす――。着想から16年、両大陸を舞台に繰り広げられる波乱の家族史。

ジュンパ・ラヒリは最初から全て読んでいるが、今回も素晴らしかった。ああいう空気感を出せる書き手はなかなかいない。本作では、ちょっと普通ではない家族の歴史を長いスパンで見つめている。それぞれに思いがあって、家族は一見バラバラになってしまうが、細い糸だとしてもやはり繋がっている。深い余韻を残す、いい小説でした。

低地 (Shinchosha CREST BOOKS)
低地 (Shinchosha CREST BOOKS)ジュンパ ラヒリ Jhumpa Lahiri

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