バット・ビューティフル(ジェフ・ダイヤー著、村上春樹訳)★★★☆☆ 2/7読了

レスターは上官の罵声を浴び、モンクは警棒を振り下ろされ、ミンガスは破壊することをやめない。酒、ドラッグ、哀しみの歴史に傷つき、自ら迷路をさまようミュージシャンたち。しかし彼らの人生には、それでも美しいジャズの響きがあった―伝説的プレイヤーの姿を、想像力と自由な文体で即興変奏する、ジャズを描いた8つの物語。サマセット・モーム賞受賞作。

「モンキービジネス」に掲載された「もしモンクが橋を造っていたら」を読んで、これは面白いと思い、単行本になるのを心待ちにしていた。発売されてすぐに買ったんだけど、意外と読み進めるのが難儀な本なので、他の本を読む合間にちょっとずつ読んでいた。
ジャズ・ミュージシャンたちの疑似伝記のような小説である。色々な資料を元にしたらしいが、一番インスピレーションが湧いたのは写真だったというのが興味深い。
ジャズの演奏とは、それ自体が先行作品への批評なのだ、というようなことが書かれた著者による長めのあとがきも読み応えがあったね。

バット・ビューティフル

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