リトル・シスター(レイモンド・チャンドラー)★★★☆☆ 3/24読了

「あなたはとことん見下げ果てた人間です」私は二十ドルぶんの通貨を、デスクの向こう側に少し押し出した。「君は二十ドルぶん、彼のことを案じていた。しかし何を案じているのか、もうひとつよくわからない」行方不明の兄オリンを探してほしい―私立探偵フィリップ・マーロウの事務所を訪れたオーファメイと名乗る若い娘は、20ドルを握りしめてこう言った。いわくありげな態度に惹かれて依頼を引き受けることとなったマーロウ。しかし、調査を開始した彼の行く先々で、アイスピックでひと刺しされた死体が!謎が謎を呼ぶ殺人事件は、やがてマーロウを欲望渦巻くハリウッドの裏通りへと誘う…。村上春樹が「愛おしい」作品と呼び、翻訳を熱望した『かわいい女』、ついに半世紀ぶりの新訳なる。

村上春樹によるレイモンド・チャンドラーの新訳第3弾。読めば読むほど、村上春樹がいかにチャンドラーの影響を受けていたのかがよく分かる。気の利いた台詞、独特の比喩、アイスピック、警察の尋問、等々。
訳者あとがきにも書かれているが、この作品には細かい瑕疵が多い。しかも犯人が誰なのか、最後まで読んでも結局よく分からない。でも面白かった。すべる時もあるけど、やっぱりマーロウの女性との会話のやり取りが魅力なんだよな。

リトル・シスター

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