絶望ノート(歌野晶午)★★★☆☆ 12/22読了

いじめに遭っている中学2年の太刀川照音は、その苦しみ、両親への不満を「絶望ノート」と名づけた日記帳に書き連ねていた。そんな彼はある日、校庭で人間の頭部大の石を見つけて持ち帰り、それを自分にとっての“神”だと信じた。神の名はオイネプギプト。エスカレートするいじめに耐えきれず、彼は自らの血をもって祈りを捧げ、いじめグループ中心人物の殺人を神に依頼した。「オイネプギプト様、是永雄一郎を殺してください」―はたして是永はあっけなく死んだ。しかし、いじめはなお収まらない。照音は次々に名前を日記帳に書きつけ神に祈り、そして級友は死んでいった。不審に思った警察は両親と照音本人を取り調べるが、さらに殺人は続く―。

歌野晶午のことだから一筋縄では行かないと思っていたが、やはりそうだった。もちろん素直には読んでいなかったので、予想通りのところもあったが、更にその上を行く展開には驚かされた。
いじめの話ということで、表面的には川上未映子の『ヘヴン』によく似ているのだが、内容は大違い。両方読んでいると、そのギャップがなかなか面白い。

絶望ノート
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