依頼主の家に住み込み、服を仕立てる「流しのお縫い子」として生きる、テルミーこと照美。生まれ育った島をあとにして歌舞伎町を目指したのは十五歳のとき。彼女はそこで、女装の歌手・シナイちゃんに恋をする―。叶わぬ恋とともに生きる、自由な魂を描いた芥川賞候補作の表題作。アルバイトをして「ひと夏の経験」を買う小学五年生、小松君のとぼけた夏休みをつづる『ABARE・DAICO』収録。
「流しのお縫い子」という設定だけで既にシビレル。15歳で歌舞伎町ということで、反射的に頭には椎名林檎の「歌舞伎町の女王」が流れたが、それともちょっと違う。邦画にありそうでなかったような設定だ。誰か映画化しないかな。上手く撮れば、切なくても希望のあるちょっといい映画になると思うんだけどな。
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