物狂ほしけれ(車谷長吉)★★★☆☆ 11/30読了

救いなきこの世をいかに生きるか、いかに死ぬか。徒然草には実に曇りのない目でこの世のことが書いてある。困ったことが出来ればまた徒然草を読めばいい−。徒然草を通して文学、恋愛、老いを語った一冊。

徒然草独言」「反時代的毒虫の作法」「車谷長吉氏への50の質問」の3部構成。「徒然草独言」では、徒然草のある段が引用され、その段の内容に沿ったエッセイが付与されており、その段の現代語訳も併せて載っている。久し振りに徒然草を読んだけど、なかなか興味深かった。昔も今も人間の欲というか業は変わらない。
「反時代的毒虫の作法」は他で発表したものの引用が多いし、内容的にも重複が多い。著者の生き方には全面的には賛成できないが、考えさせられるところもある。
車谷長吉氏への50の質問」はオマケみたいなものだ。

物狂ほしけれ
物狂ほしけれ車谷 長吉

平凡社 2007-10
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