考える水、その他の石(宮沢章夫)★★★☆☆ 1/2読了

本書は、1995年に同文書院から刊行された『考える水、その他の石』の改訂新版である。内容的にはほとんど変更はないようだが、web日記からの文章がいくつかボーナストラックとして収録されている。第1章「曖昧な場所と名づけえぬもの」は様々な媒体に発表したエッセイが収められている。第2章「観ることのノート、または荒くれ」は「TARZAN」に連載された劇評。第3章「考える水、その他の石」は「しんげき」に連載された劇評のようなエッセイ。
時代的なこともあって、第2章が一番読みにくかった。論評対象の劇団の芝居を私がほとんど観たことがないというのも大きい。そのことを差し引いても、今の宮沢章夫の文章に比べると、言葉が変に難解だったり乱暴だったりして、読者の立場に立っていないなという感じがした。それでも、今の宮沢章夫の考え方の元にはこのような文章群があったのだなということを認識できたのは有意義だった。

考える水、その他の石
考える水、その他の石宮沢 章夫

白水社 2006-10
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