名人戦問題:棋士総会の結果

日本将棋連盟米長邦雄会長)の棋士総会が26日、東京・千駄ケ谷のけんぽプラザで開かれ、名人戦主催問題については「毎日新聞社が単独主催を希望し、その条件を示した段階で、棋士が票決を行う」という案が賛成多数で承認された。

理事会もさすがに昨日の案で決を採るのは無理と判断したか、修正案を出してきた。(以下は、MSN毎日インタラクティブより引用)

だが、理事会はこの日、当初の案を事実上、修正。(1)毎日新聞社が単独主催を希望すれば、同社が提示した条件で契約するかどうかは、棋士の投票で決める。(2)毎日新聞社朝日新聞社との共催を希望すれば、その後の交渉は理事会に一任される−−との案を示し、採決をとった。

 現役、引退棋士計196人のうち、総会には168人が出席し、23人が委任状を提出。投票は無記名で行われ、事実上の修正案への賛成は149票、反対34票、無効1票、棄権7票だった。

想像していたのとは違う方向に進んだが、昨日の時点から考えればましな結果になったようだ。ただ、上記の(2)はあり得ないから、実質は(1)に焦点は絞られるはずだ。問題は毎日が契約金の額をどうするかだ。あくまで予想だが、今までよりも多少上乗せしてくるのではないだろうか(但し、朝日の提示した額は上回らない範囲で)。そうなれば、信義を重んじる棋士たちは毎日単独主催に票を投じるだろう。そうなると、これまでの騒ぎはいったいなんだったんだろう、ということになる。理事会が醜態をさらし、将棋連盟の理事は世間知らずであることを世に知らしめ、多くのファンを失ったかわりに何を得たことになるのだろう? 多少の契約金のアップ? それくらいじゃあ全然割に合わないだろう。そして朝日の立場は?
総会ではこれほどまでの騒ぎを引き起こした理事たちによる謝罪の言葉はあったのだろうか。その辺も気になるところだ。ただ、将棋連盟のサイトには単に下記のように書かれている。

1.名人戦契約理事会案について
   賛成 149票、 反対34票、 無効1票、 棄権7票

これに対して渡辺竜王は「将棋連盟HPを見たら昨日の理事会案が通ったというような書かれ方をしていますが、それは違います」と書いている。このように、当初の案を修正した上で決を採ったということを書かずに、単に数字だけを載せているところを見ると、理事会による反省の色は見られない。どうしてこういうずる賢い書き方するんだろう?
おそらく今後の臨時総会によって毎日単独主催に決定するだろう。そして、毎日との契約が為された暁には、現理事会は総辞職するべきだな。

名人戦問題もさることながら、もう1つの重要な議案も可決された。連盟のサイトにはこうある。

1 プロ試験
・現在のプロ公式棋戦において、最も良いところから見て10勝以上、なおかつ6割5分以上の成績を収めたアマチュア女流棋士に対し、希望によりプロ編入試験を行なう。
・試験方法は、棋士との5番勝負。試験官は新四段5名を棋士番号順に選出する。
・ アマが3勝2敗以上で合格。フリークラスに編入できる。

この決定はいいね。私はかねてより、瀬川氏のプロ編入試験において、客寄せパンダ的な対戦相手の選出方法を非常に苦々しく思っていたので、「試験官は新四段5名を棋士番号順に選出する」という条項が特に気に入った。

【追記】
連盟のサイトの記載が変更された。

5月26日の総会報告の補足説明をいたします。  

 毎日新聞社が単独主催案を希望された場合は、同社が提示した条件で契約するかどうかを棋士の表決によって決定いたします。

この書き方も舌足らずなんだよなあ。しかも、「表決」って字間違ってるし・・・。

【さらに追記】
すみません・・。字間違ってませんでした。「票決」だとばかり思っていましたが、微妙な意味違いで両方使うんですね。
表決:合議体の構成員が、一定の議案について賛否の意思を表明すること。
票決:議案などを、投票によって決定すること。