盤外名人戦(続報)

日本将棋連盟米長邦雄会長)の理事会は12日、東京・千駄ケ谷将棋会館で所属棋士による棋士会を開き、2007年6月に始まる第66期以降の名人戦順位戦の主催者を毎日新聞社から朝日新聞社に移す方針を説明した。17日には、大阪で同様の棋士会が開かれる。連盟は、5月中旬に東京で2度目の棋士会を開いた後、議決機関である同26日の総会で態度を最終決定する。決定は票決となる見通し。

朝日新聞側のコメント

 〈朝日新聞社の荒木高伸広報担当・社長室長の話〉 日本将棋連盟理事会の諮問機関である「経営諮問委員会」から、昨年夏ごろに「名人戦をやるつもりはないか」と打診をいただきました。名人戦は長年にわたって要望してきた棋戦であり、弊社の考え方を理事会にはお伝えしてあります。現時点では、日本将棋連盟毎日新聞社との話し合いの行方を見守りたいと考えております。もし主催させていただけるなら、将棋の普及・振興に一層力を入れていきたいと考えています。

毎日新聞側のコメント

将棋界で最古の伝統と最高の権威をもつ名人戦は、1935年に毎日新聞社が創設したものです。いったん朝日新聞社の主催に移った時期もありましたが、77年からは再び毎日新聞社の主催に戻り、将棋連盟と協力して運営してきました。私たちは、名人戦の単なるスポンサーではなく、将棋連盟とともに最高のタイトルを育ててきたという自負があります。

 ところが、通知書の郵送に続いて来社した中原誠・将棋連盟副会長は「長い間お世話になり、感謝している。名人戦の運営には何の問題もなく、あのような通知書を出して恐縮している」と切り出しました。

 なぜ契約解消なのでしょう? 中原氏によれば、朝日新聞が高額の契約金や協力金を示し、名人戦朝日新聞にもってくるよう強く要請しているから、というのです。

記事を読み比べると食い違いがあることに気づく。朝日は今回の件は将棋連盟から話があったと書いてあるのに対し、毎日では朝日が将棋連盟に働きかけたことになっている。どちらが事実なのかは外野には分からない。いずれにしても、記事を色々読んだ感じでは、今回の将棋連盟の毎日新聞に対する措置は信義にもとるものではないだろうか。
確かに契約金は高いに越したことはないだろうが、毎日の記事を読むと、毎日には契約金アップの要請すらなかったという。これでは朝日と将棋連盟との間に何らかの密約があるのではないかと勘ぐりたくもなってくる。
朝日に名人戦が来て、朝日オープンがなくなってしまったら、棋戦が1つ減ってしまうというもの問題だ。朝日を取っている身としては、朝日で名人戦棋譜を見たいという希望はあるが、やはり通すべき筋は通してもらった方がいい。
決着は5月26日の棋士総会での票決となる。棋士たちは、果たしてどういった決断を下すのだろうか。