マンダレイ ★★★☆☆ シャンテシネ

ドッグヴィル”の町を焼き払った(「ドッグヴィル」のラスト)グレース(ブライス・ダラス・ハワード)は、父親(ウィレム・デフォー)らと共に新たな居住地を求めてアメリカ南部にやってきた。辿り着いたのはマンダレイの大農園。そこは非人道的な奴隷制度が存続している場所だった。「白人として、黒人に対する責任をとらなくては」と考えたグレースは、奴隷たちに人権についての教育を施そうとする。しかし、被支配者の立場に慣れてしまった黒人たちにはなかなか受け容れられないものだった。そのうちに悪天候による飢饉がやってきて・・・。

上映時間:139分
監督 :ラース・フォン・トリアー
脚本 :ラース・フォン・トリアー
出演:ブライス・ダラス・ハワードイザック・ド・バンコレダニー・グローヴァーウィレム・デフォー 、ジェレミー・デイヴィス

アメリカ3部作の第2作のテーマは奴隷制度だった。奴隷制度に関して痛烈なアメリカ批判になっているとともに、主人公のグレースをブッシュに見立てたイラク戦争批判にもなっている。ただ、映画としては前作の『ドッグヴィル』の方が良かったな。ブライス・ダラス・ハワードロン・ハワードの娘)は決して悪くはなかったが、やはりニコール・キッドマンには及ばない。ニコール・キッドマンの方が華がある。それと『マンダレイ』の方がちょっと話が単調なんだよな。ただ、ラストのティモシーという登場人物の "You made us." という台詞はいつまでも耳に残りそうだ。