クライム・マシン(ジャック・リッチー)★★★☆☆ 12/27読了

殺し屋リーヴズの前に現れた男は、自分はタイム・マシンであなたの犯行を目撃したと言った。最初は一笑に付したリーヴズだが、男が次々に示す証拠に次第に真剣になっていく。このマシンを手に入れればどんな犯罪も思いのままだ・・。奇想天外なストーリーが巧みな話術で展開していく「クライム・マシン」、ありふれた“妻殺し”事件が思わぬ着地点に到達するMWA賞受賞作「エミリーがいない」をはじめ、迷探偵ヘンリー・ターンバックル部長刑事シリーズ、異常な怪力の持ち主で夜間しか仕事をしない私立探偵カーデュラの連作など、オフビートなユーモアとツイストに満ちた短篇ミステリの名手、ジャック・リッチーの傑作 17篇を収録したオリジナル傑作集。その簡潔なスタイルと見事なストーリーテリングは、ヒッチコック、クイーン、ウェストレイクら、多くの「目利き」たちから絶賛を浴びている。

このミスの海外編で1位になった作品。
上でも紹介されている、表題作の「クライム・マシン」や「エミリーがいない」は本当に素晴らしい出来だ。ヘンリー・ターンバックル部長刑事シリーズもなかなかいい味を出しているのだが、私立探偵カーデュラの連作がちょっと劣るかな。そのために星が1つ減った。
昔の海外ミステリは結構読んでいたつもりだったが、P・G・ウッドハウスといい、ジャック・リッチーといい、自分が知らないだけで素晴らしい書き手はまだまだいるね。

クライム・マシン
クライム・マシンジャック リッチー Jack Ritchie 好野 理恵

晶文社 2005-09
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