ぼくの死体をよろしくたのむ(川上弘美)★★★★☆ 6/17読了

彼の筋肉の美しさに恋をした“わたし”、魔法を使う子供、猫にさらわれた“小さい人”、緑の箱の中の死体、解散した家族。恋愛小説?ファンタジー?SF?ジャンル分け不能、ちょっと奇妙で愛しい物語の玉手箱。

個人的にはかなりツボで、とても面白かった。MONKEYの連載でも川上弘美は読んでいるのだが、MONKEYだとショートショート的な短さなので、奇妙さばかりが目立ってしまう。その点、この短編集はそこまで短くないので、奇妙だけれども現実感もあって奥行きもある。どれも良かったけど、特に、帰国子女でイタい従姉妹の出て来る「二人でお茶を」と少し魔法が使える「るか」という男の子がやって来る「二百十日」がお気に入り。

ぼくの死体をよろしくたのむ
ぼくの死体をよろしくたのむ川上 弘美

小学館 2017-02-28
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