「コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますか?」燃え尽き症候群のようになって前職を辞めた30代半ばの女性が、職業安定所でそんなふざけた条件を相談員に出すと、ある、という。そして、どんな仕事にも外からははかりしれない、ちょっと不思議な未知の世界があって―1年で、5つの異なる仕事を、まるで惑星を旅するように巡っていく連作小説。
シビアな話なのかと思っていたら、そうではなくて、ちょっとファンタジー系の不思議な話だった。読んでいるうちにこれは何かに似ているぞと思ったら、三崎亜記の小説だった。バスのアナウンスの仕事の話なんて、三崎亜記が読んだら、「やられた!」って思うんじゃないだろうか(思わないか)。微妙な感じの挿絵もいい味出してたね。
この世にたやすい仕事はない | |
津村 記久子 日本経済新聞出版社 2015-10-16 売り上げランキング : 97627 Amazonで詳しく見る by G-Tools |