『同じ夢』@シアタートラム

濃密な人間ドラマが渦巻く赤堀雅秋の新作が、シアタートラムに放たれる !
これ以上ない豪華出演陣が赤堀の元に集結 !!
劇団THE SHAMPOO HATの全作品の作・演出を手掛けてきた赤堀雅秋
ダメながらも愛すべき人間たちの関係を緊密にリアルに描き、独特のユーモアを交えることで観客に強い共感と高揚感を与えるその作風は熱狂的な支持を集めています。
2012年には初監督した映画「その夜の侍」で新藤兼人賞を、13年には戯曲『一丁目ぞめき』で第57回岸田國士戯曲賞を受賞するなど、めざましい活躍で更に注目度は上昇中。
その赤堀雅秋の書き下ろしによる新作公演を2016年、シアタートラムにて上演します。
そして、赤堀作品への出演をかねてより熱望していた強力なキャスト陣がこの作品に集いました。
ご期待ください。


【作・演出】 赤堀雅秋
【出演】 光石研 麻生久美子 大森南朋 木下あかり 赤堀雅秋 田中哲司

舞台は千葉県船橋市のひなびた商店街にある精肉店。台所と居間を中心に、生活感漂う具象的な空間で物語は展開する。肉屋の二代目・松田昭雄(光石研)は、寝たきりの父親と娘の靖子(木下あかり)の3人暮らし。そこへ、ヘルパーの高橋美奈代(麻生久美子)と店の従業員・稲葉和彦(赤堀雅秋)が通っているほか、昭雄の飲み友達で近所の文房具屋・佐野秀樹(田中哲司)が入り浸っている。昭雄の妻はすでに交通事故で他界しており、加害者の田所元気(大森南朋)は毎年、詫びと焼香のために松田家を訪れていた。「同じ夢」では、昭雄の妻の10年目の命日の、昼から晩までを描く。

一見普通に見える日常だが、薄い膜一枚剥がしたらとんでもないことになるぞという危うさを孕んだ芝居だ。こういう芝居はほんのちょっとした間や視線で良くも悪くもなる。下手な役者がやったら台無しになるだろう。そこを光石研麻生久美子大森南朋田中哲司といった熟練の役者が演ずることによって素晴らしい舞台となっていた。一時も目が離せなくて、食い入るように観てしまった。いいお芝居でした。