密室殺人ゲーム2.0(歌野晶午)★★★★☆ 9/7読了

「頭狂人」「044APD」「aXe」「ザンギャ君」「伴道全教授」奇妙すぎるニックネームの5人が、日夜チャット上で「とびきりのトリック」を出題しあう推理合戦!ただし、このゲームが特殊なのは各々の参加者がトリックを披露するため、殺人を実行するということ。究極の推理ゲームが行き着く衝撃の結末とは。

この本を読みたいと思ったきっかけは、立ち読みした「ジャーロ」で本作が第10回「本格ミステリ大賞」を受賞したのを知ったからだ。
というわけで、まず前作の『密室殺人ゲーム王手飛車取り』を読んでから本作に取りかかった。本作だけ読んでも面白いとは思うけど、やはり前作を読んでおいた方が、より面白さは増すだろう。
表紙裏に著者自ら書いているように映画「ソウ」シリーズのような「ずらし」の手法が本作でも取られている。「頭狂人」「044APD」「aXe」「ザンギャ君」「伴道全教授」という登場人物は前作と同じなのだが、それぞれ担い手が前作とは違うのだ。さらに、これは前作でも同じだが、それぞれのニックネームを名乗っている本人が、男なのか女なのか、若いのか年寄りなのかも分からないというのが1つのミソになっている。
彼らが推理ゲームを行うのも前作と同じだが、内容は本作の方が上だな。特にラストの「044APD」渾身の出題には驚かされた。そんな手があったのかと。
前にも書いたけど、「本格」が好きじゃない人は楽しめないだろう。逆に本格好きの人ならば、前作とセットで読むと至福の時を得られるだろう。

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