マイナス・ゼロ(広瀬正)★★★☆☆ 8/24読了

1945年の東京。空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。18年後の今日、ここに来てほしい、というのだ。そして約束の日、約束の場所で彼が目にした不思議な機械―それは「先生」が密かに開発したタイムマシンだった。時を超え「昭和」の東京を旅する浜田が見たものは?失われた風景が鮮やかに甦る、早世の天才が遺したタイムトラベル小説の金字塔。

結構複雑に複数の人間が時空を飛び越えるので、最終的に辻褄が合っているのかはよく分からない。ただ、そういうことは抜きにして純粋に読み物として面白かった。
戦前・戦後の銀座の様子などの風俗描写が興味深かったし、主人公が過去へタイムスリップしたときにやっかいになるカシラ一家とのやり取りが実にほのぼのとしていて良かったね。