翻訳のさじかげん(金原瑞人)★★☆☆☆ 4/19読了

料理に骨董、三味線に歌舞伎…翻訳しているヒマがない?人気翻訳家の最新エッセイ集。三浦しをん氏との「文楽対談」も収録。

タイトルに惹かれて図書館で借りてみたけど、どうもダメでしたね。エッセイってややもすると、自慢とか蘊蓄披露になりがちなんだけど、この本もどちらかというとそっち系の本だった。
知らないと思うから教えてあげるけど、そもそも○○って□□じゃなくて●●なんですよ的な上から目線の話が多い。しかも大概は辞書とか誰かの本からの受け売りだ。もちろん、受け売りじゃない純粋な知識なんてものはめったにないからそれは仕方ないけど、「ホルモン」の語源は関西弁の「ほうるもん」から来てるとか、人名の話で「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」なんて、それこそ手垢のつきまくった話が出てくるとかなりガックリ来る。
あとがきでこう書いてるので、先にそれを読んどきゃ良かったなってのもあるけど。

もともと、物事をとことんまでつきつめていく探求型ではなく、適当なところでチャラチャラ遊ぶのが好きな性格で、深い考察などまったくない。「言葉」を題材に、表面をさらっとなでただけの連想ゲームみたいなものと思っていただければまちがいない。

あと、自分のことを「私は(俺は、僕は、etc.)」と書かないで、「金原は」と書いてあるのも気に入らない。話し言葉でも書き言葉でも自分のことを苗字で表現されるのが大嫌いなんだよな、私は。気にならない人は気にならないんだろうから、あくまで私のケースだけどね。

翻訳のさじかげん
翻訳のさじかげん金原 瑞人

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