三畳一間、家賃月1万2千円。ワセダのぼろアパート野々村荘に入居した私はケッタイ極まる住人たちと、アイドル性豊かな大家のおばちゃんに翻弄される。一方、私も探検部の仲間と幻覚植物の人体実験をしたり、三味線屋台でひと儲けを企んだり。金と欲のバブル時代も、不況と失望の九〇年代にも気づかず、能天気な日々を過ごしたバカ者たちのおかしくて、ちょっと切ない青春物語。
以前から読みたいと思っていた本。期待通りに面白かった。私は実家から大学に通っていたし、ここまで変人の友達もいなかったから、何だかちょっと羨ましかったね。
笑えるエピソード満載だが、「河童団」を結成して水泳大会に出場した話と、後輩の中江と大家のおばちゃんとの卓球対決の話は特に良かったねえ。何だそりゃと思った方は是非本書を読んでみて欲しい。
| ワセダ三畳青春記 (集英社文庫) | |
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