輝く断片(シオドア・スタージョン)★★★☆☆ 9/24読了

雨降る夜に、瀕死の女をひろった男。友達もできず顔も醜い孤独な男は決意する。おれやる、全部やる・・。「自分がいままで書いた短篇の中でももっとも力強い作品」と著者みずからが語る表題作「輝く断片」、スタージョン・ミステリの最高傑作「マエストロを殺せ」、先駆的なサイコサスペンス「君微笑めば」ほか、高密度なミステリを5篇、さらに彩り豊かなオードブルとして、コメディ調ファンタジー「取り替え子」、奇妙な味の「ミドリザルとの情事」、愛すべき「旅する巌」の3篇をとりそろえた名作の饗宴。

『不思議のひと触れ』についで2冊目のスタージョン。今回は非SF的な作品を中心としたセレクションになっている。多少読みにくいところもあるが、どれも不思議だけれども人間の本質を捉えた小説になっている。どれか一つと言われれば、やはり表題作の「輝く断片」かな。オチは途中で分かるけれども、ズシリと胸に来る作品だ。「輝く断片」というタイトルがまた素晴らしい。

輝く断片輝く断片
シオドア・スタージョン 大森 望

河出書房新社 2005-06-11
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