赤目四十八瀧心中未遂(車谷長吉)★★★★☆ 8/21読了

文壇を騒然とさせた第119回直木賞受賞作。
アパートの一室で、「私」は来る日も来る日も、モツを串に刺し続けた。尼ヶ崎のはずれにある、吹き溜まりの町。向いの部屋に住む女「アヤちゃん」の背中一面には、迦陵頻伽の刺青があった。ある日、女は私の部屋の戸を開けた。「うちを連れて逃げてッ」―ー。二人の逃避行が始まる。
救いのない人間の業と情念。圧倒的な小説作りの巧みさと見事な文章で、底辺に住む人々の姿を描き切った傑作。異色の私小説作家・車谷長吉の代表作。

再読。又吉直樹の『劇場』を読んでいて、ふとこの本を読み返したくなった。この物語のクライマックスがまさに今の季節なので、すごく臨場感があった。
再読でも凄みは色褪せない。やはり傑作だな。

赤目四十八瀧心中未遂
赤目四十八瀧心中未遂車谷 長吉

文藝春秋 2001-02-01
売り上げランキング : 62143


Amazonで詳しく見る
by G-Tools