キッチン・コンフィデンシャル(アンソニー・ボーデイン)★★★★☆ 4/9読了

キッチンには秘密がいっぱいだ。夏の避暑地のレストラン・ウェディング。アルバイトの大学生が目撃したのは客も花婿もほったらかして、厨房の裏でシェフとセックスに励む花嫁の姿…。たちまち大学を飛び出し、料理の世界に飛び込んだ著者が出会った奇人・変人・荒くれ男に料理界のあの手この手。月曜に魚は食べるな?人を殴り殺せないようなものは鍋とは呼ばない?ウェルダンを注文してくれてありがとう…?超有名店シェフが暴露するニューヨークの喧噪、料理人の手の内。

業界裏話的な本は大好きだし、それがレストラン業界とくればなおさらだ。
それにしても、いったい何軒のレストランを渡り歩いてるんだっていうくらい色々なレストランの話、およびそこで一緒に働いた人間の話が出てくる。
愛すべきジャズメンたちを描いた、ビル・クロウの『さよならバードランド』や『ジャズ・アネクドーツ』に感じは近いけど、本書はもっと騒々しいというか下品だな。逆に言えば、そこが活き活きとしていて面白い。映画の『ディナーラッシュ』を観ていると想像がしやすいかもしれない。
これを読むと料理したくなるんだよな。久々に何か作ろうかな。

キッチン・コンフィデンシャル (新潮文庫)

キッチン・コンフィデンシャル (新潮文庫)