イキウメ公演『表と裏と、その向こう』 紀伊國屋ホール

今より少し未来。
ユビキタス特区(地区全体が情報化されたモデル都市)として
ゼロから開発された初の地区。
生体情報を元にしたIDひとつで、
すべての経済活動、健康状態から行動履歴まで
管理されている、数値化された人間の住む町。


作・演出:前川知大
出演:浜田信也、盛 隆二、岩本幸子、森下 創、緒方健児
   西牟田 恵、内田 慈、安井順平


東京公演:2008年7月2日(水)〜6日(日)紀伊國屋ホール
福岡公演:2008年7月12日(土)、13日(日)西鉄ホール
大阪公演:2008年7月18日(金)〜20日(日)HEP HALL
主催:(社)日本劇団協議会 創作劇奨励公演

舞台装置が凝っている。一面の大きな壁のようなものがあり上方が大きく長方形に切り抜かれている。その長方形の部分も舞台になっており、本当の舞台からそこへは坂を上っていくようになっている。うまく説明できないな。要するに1つの舞台を重層的に使えるようになっているということだ。
今回は「時間」を題材にして「生と死」が描かれている。「人はみないつかは死ぬんだよ」というセリフは、『ガープの世界』の有名な一節「ガープによればこの世界では、われわれはすべて死に至る患者なのである」を思い出させる。問題は「死」までの時間をどう生きるかだ。
個人的には前回の『眠りのともだち』よりも今回の方が面白かったね。客演の安井順平が良かった。お笑い芸人らしいのだが、お笑いをやっているところを見たことがない。喋り方がちょっとくりぃむしちゅー上田晋也に似ている。上演時間は2時間10分くらいだったかな。
前回のはちょっとどうかな〜と思ったけど、今回の舞台で自分内のイキウメの評価は大分上がった。早くも今年の10月には次回作『図書館的人生Vol.2 盾と矛』をやるらしい。楽しみなのだが、場所が三鷹なんだよな。もうちょっと近いと良かったんだけど。