なんとかしなくちゃ。 青雲編(恩田陸)★★★☆☆ 2/5読了

「これは、梯結子の問題解決及びその調達人生の記録である。」
大阪で代々続く海産物問屋の息子を父に、東京の老舗和菓子屋の娘を母に持つ、梯結子。幼少の頃から「おもろい子やなー。才能あるなー。なんの才能かまだよう分からんけど」と父に言われ、「商売でもいけるけど、商売にとどまらない、えらいおっきいこと、やりそうや」と祖母に期待されていた。その彼女の融通無碍な人生が、いまここに始まる――。

主人公である梯結子の一代記だが、本作は23歳までの青雲編。ところどころに「私」が顔を出す。主人公じゃない私って誰なんだと思えば、著者である。これが不思議というか余計に感じた。「結子はのちに〜〜することになる」とか「のちに〜〜になるとは、この時の結子はまだ知る由もない」のような記述が結構な頻度で出てくるのも興ざめだった。さらに言えば、上から目線的な説明(城郭研究会メンバーとのお茶会のときなど)も多かった。色々書いたけど、総じて面白くは読みました。著者も面白いと思って書いていたんでしょうし。