爆弾(呉 勝浩)★★★☆☆ 9/6読了

些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。
警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。

初読みの作家。書評を読んで面白そうだったので読んでみた。得体のしれない爆弾魔とのやりとりがねちっこくて長いのだが、先が気になるので、ページをどんどん繰ってしまう。登場人物たちも、共感できるかどうかは別にして、粒立っていた。合理的な解決がある小説ではないのかなと思いながら読んでいたが、最終的には推理小説的な結末に落とし込んでいた。最後の一行が効いてるね。