逃亡くそたわけ(絲山秋子)★★★☆☆ 8/21読了

21歳の夏は一度しか来ない。あたしは逃げ出すことにした。
軽い気持ちの自殺未遂がばれて、入院させられた病院から。
逃げるのに思いつきで顔見知りを誘った。24歳の茶髪で気弱な会社員。
すぐに「帰ろう」と主張する彼を脅してすかして車を出させた。東へ。そして南へ。
__おんぼろ車で九州の田舎町を駆け抜けるふたりの前にひろがった暑い夏の物語。

新作がこれの続編と知って、まずこちらを読んだ。福岡の精神病院を脱走した21歳の花ちゃんと24歳のなごやんが車で九州を縦断するロードノベル。作中の季節が夏なので、今読むのにちょうど良かった。2人以外の人物がほとんど出てこないのに、最後まで面白く読ませるのは素晴らしい。いつか阿蘇に行って、いきなり団子を食べてみたい。