朱色の化身(塩田武士)★★★☆☆ 7/2読了

ライターの大路亨は、ガンを患う元新聞記者の父から辻珠緒という女性に会えないかと依頼を受ける。一世を風靡したゲームの開発者として知られた珠緒だったが、突如姿を消していた。珠緒の元夫や大学の学友、銀行時代の同僚等を通じて取材を重ねる亨は、彼女の人生に昭和三十一年に起きた福井の大火が大きな影響を及ぼしていることに気づく。作家デビュー十年を経た著者が、「実在」する情報をもとに丹念に紡いだ社会派ミステリーの到達点。

失踪した辻珠緒という女性を追うためにライターの大路亨が色々な人にインタビューする形式になっている(前半は)。手法としてはよくあるのだが、人数が多すぎて人物関係がよく分からなくなる。面白くなくはなかったが、ちょっとまとまりに欠けたかな。