日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この四十年(田口俊樹)★★★☆☆ 6/4読了

ローレンス・ブロックの〈マット・スカダー・シリーズ〉をはじめ、2002年度「このミス」第1位のボストン・テラン『神は銃弾』、エルモア・レナードトム・ロブ・スミスドン・ウィンズロウなど、ミステリーを中心に200冊近い訳書を刊行してきた名翻訳家が、自身が手掛けてきた訳書を再読し、翻訳家デビューのいきさつから、誤訳の数々、マイクル・Z・リューインとのメール交流、ジョン・ル・カレの逆鱗に触れた英文、レイモンド・チャンドラー「待っている」新訳での「大発見」まで、それぞれの訳書にまつわるエピソードと時々の翻訳事情で40年に及ぶ翻訳稼業を振り返る回顧録

少し前に常盤新平の『片隅の人たち』を読んでいたので、時代は違うけれども、同じ翻訳者ということで興味深かった。結構、正直に誤訳を懺悔しているところは潔かったね。翻訳者の内部事情みたいな裏側も色々覗けて面白かった。