着せる女(内澤旬子)★★★★☆ 7/9読了

大改造!!“服"的ビフォーアフター
本の雑誌」の大人気連載「着せ替えの手帖」がカラーページも収録し待望の書籍化です。
「マシな服を着たら、カッコよくなるのに」と10代の頃、兄の服選びに付き合ってから、すっかりメンズファッションウォッチャーになっていた内澤旬子さんが、服選びどころか服を買いに行く服すならない友人・知人のおじさんの服選びに付き添い、プロの手を借りながらおじさんたちを大変身させていきます。

世の男性の8割はスーツが身体に合っていない、似合っていないと嘆く著者が、まずは身近な作家や出版関係者にスーツを誂えていく話。これが滅法面白かった。まず著者は私と同い年なので、男女の違いはあるが、どの時代にどんなブランドが流行ったかなどは共通の経験がある。ちなみに私は、クレヨン・オム(後のバーナード・クレヨン)やアプレセイズなんかが好きだった。もっさりしていた男性陣が身体に合ったスーツを着ると、見違えるようにバリッとするのがビフォーアフターの写真を見るとよく分かる。もちろん著者だけの手柄ではなくて、影の主役とも言える鴨田さん(バーニーズ・ニューヨーク)の見立てがあってこそ。鴨田マジックを目の当たりにしてワーキャー騒ぐ著者が実に楽しそうだった。私も、お金に糸目をつけずに、バーニーズ・ニューヨークで鴨田さんにスーツを誂えて欲しいものだよ。まあ、夢のまた夢だけど。