ピエタとトランジ(藤野可織)★★★☆☆ 6/20読了

芥川賞受賞第一作『おはなしして子ちゃん』に収録された衝撃作「ピエタとトランジ」が、長篇になって帰ってきた!天才的な頭脳を持つ女子高生探偵トランジと、彼女の才能に惚れ込み助手に名乗り出たピエタ。トランジは事件を誘発させる体質で、次から次に周囲で人が死んでいく。あるとき、トランジに秘められた恐るべき事実が明らかになり、人類は滅亡に向かう―!?芥川賞作家が贈るスリル×サスペンス×友情の超弩級ガールズ・エンターテイメント!

岸本佐知子の帯コメントで気になって読んでみた。広義のホームズとワトソンものであり、女性同士のバディものであり、ディストピア小説でもある。トランジが事件を誘発させる体質という突飛な設定で、とにかく人が死にまくる。かなりのトンデモ展開だが、2人がちゃんと歳をとっていくのが良かった。私は巻末の初出短編から遡って時系列で読んだんだけど、本の順番通りに読んだほうが趣きがあったかもね。