赤い部屋異聞(法月綸太郎)★★★☆☆ 6/16読了

日常に退屈した者が集い、世に秘められた珍奇な話や猟奇譚を披露する「赤い部屋」。新会員のT氏は、これまで九十九人の命を奪った“殺人遊戯”について語り始める。少しも法律に触れない、安全至極な殺人法とは―そして恐るべき身の上話ののち、仰天の結末がT氏を待ち受けていた!(「赤い部屋異聞」)乱歩の名作をアレンジし、どんでん返しのつづら折りが見事な表題作ほか、都筑道夫のホラー短編を下敷きにした“決して最後まで読めない本”の怪異譚「だまし舟」(書き下ろし)など、マニアであれば二度おいしい、絶品揃いの全九篇。

江戸川乱歩の「赤い部屋」をはじめとした先行作品へのオマージュ短編集。ミステリーだけではなく、ホラーっぽかったり、SFっぽかったりする作品もあって、なかなか面白かった。