桃源(黒川博行)★★★☆☆ 2/29読了

沖縄の互助組織、模合。この制度で集めた仲間の金、六百万円を持ち逃げした男・比嘉の行方を追うこととなった、大阪府警泉尾署の刑事、新垣と上坂。情報をつかんで沖縄に飛んだ二人が辿り着いたのは、南西諸島近海に沈む中国船から美術品を引き上げるという大掛かりなトレジャーハントへの出資詐欺だった―。遺骨収集、景徳鎮、クルーザーチャーター。さまざまな情報と思惑が錯綜するなか、真相に繋がる糸を手繰り寄せることはできるのか。著者ひさびさの正統派警察捜査小説。

黒川博行の小説は基本バディーものだが、今回のコンビは大阪府警泉尾署の刑事、新垣と上坂。上坂は『落英』に出てきていて、『落英』の話も作中にちょろっと出てくる。コンビが違うだけで、2人の掛け合いの面白さで読ませるところは基本的に同じ。上坂の映画の趣味が割と自分と合っていたので面白かった。