十二月の十日(ジョージ・ソーンダーズ)★★★☆☆ 2/14読了

愛する長女のために素敵な誕生パーティを開こうと格闘する父親(「センプリカ・ガール日記」)、人間モルモットとして感覚を増幅する薬を投与される若者たち(「スパイダーヘッドからの脱出」)、中世テーマパークで働き、薬の力で思考も語彙も騎士となる男(「わが騎士道、轟沈せり」)、戦地から帰還して暗い暴力の衝動を膨れ上がらせる若き元軍人(「ホーム」)…ダメ人間たちが下降のはてに意外な気高さに輝く、現代アメリカ最重要作家の傑作短篇集。

不思議な話が多いのだが、こういう短編集は日本にはなかなかないので、たまにはいい。表題作が一番良かったけど、一番長い「センプリカ・ガール日記」も良かったね。