ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29(ジェイ・ルービン編)★★★☆☆ 4/25読了

これが、世界で読まれるニッポンの小説! 日本と西洋、男と女、近代的生活その他のナンセンス、災厄など七つのテーマで選ばれたのは、荷風・芥川・川端・三島、そして星新一中上健次から川上未映子星野智幸・松田青子・佐藤友哉までの二十九の珠玉。村上春樹が収録作品を軸に日本文学を深く論じた、必読の序文七十枚を付す。

「日本の名短篇」と呼ぶには首をかしげたくなるものもあるが、「名短編」というよりは単にジェイ・ルービンのセレクトと考えればいい。古いのから新しいのまで網羅されているし、テーマごとに分類されているのも面白い。今まで手に取ろうと思わなかった作品に出会えるのがアンソロジーのいいところ。河野多惠子の「箱の中」は面白かったし、青来有一の「虫」もなかなか良かった。