夢も見ずに眠った(絲山秋子)★★★☆☆ 4/4読了

夫の高之を熊谷に残し、札幌へ単身赴任を決めた沙和子。しかし、久々に一緒に過ごそうと落ち合った大津で、再会した夫は鬱の兆候を示していた。高之を心配し治療に専念するよう諭す沙和子だったが、別れて暮らすふたりは次第にすれ違っていき…。ともに歩いた岡山や琵琶湖、お台場や佃島の風景と、かつて高之が訪れた行田や盛岡、遠野の肌合い。そして物語は函館、青梅、横浜、奥出雲へ―土地の「物語」に導かれたふたりの人生を描く傑作長編。

久し振りの絲山秋子。夫婦2人が色々な土地を訪れる連作短編集。長嶋有によく似ているけど、長嶋有よりは文学寄りかな。夫が鬱になっちゃったりして、夫婦関係がうまく行かなくなってしまうところがリアルだった。訪れた土地の描写が細かくて、実際に旅している気分も味わえた。ラストもなかなかいいね。