樽とタタン(中島京子)★★★☆☆ 5/16読了

忘れかけていた子どもの頃の思い出を、あざやかに甦らせる傑作短篇集。小学校の帰りに毎日行っていた赤い樽のある喫茶店。わたしはそこでお客の老小説家から「タタン」と名付けられた。「それはほんとう? それとも噓?」常連客の大人たちとの、おかしくてあたたかな会話によってタタンが学んだのは……。心にじんわりと染みる読み心地。甘酸っぱくほろ苦いお菓子のように幸せの詰まった物語。

茶店の赤い樽の中に入っているのが好きな小学生のタタンちゃんが主人公の短編集。さすが中島京子という感じで、どの話も面白かったが、個人的にはタタンの祖母の話が好きだったな。

樽とタタン
樽とタタン中島 京子

新潮社 2018-02-22
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