城山羊の会「埋める女」@ザ・スズナリ

昨年の12月の公演「相談者たち」では、「他人の家にあがること」の困難さをくどいほど描いた城山羊の会。今年の春は、誰にも求められていなかったが、初めての再演(「自己紹介読本」)を敢行し、自己紹介されることの怖さを強調した。そんな城山羊の会、この度、オーディションも行われ、新旧合わせたベストキャスティングで、1年ぶりの新作が上演される。

作・演出: 山内ケンジ
出演:奥田洋平 / 坂倉奈津子 / 福井夏 / 伊島空 / 岡部たかし / 岩谷健司 / 金谷真由美

野っ原のような舞台の上に岩谷健司が1人登場して観客に語りかけるところから芝居は始まる。その語りが実はYouTubeにアップされていて、それを見た人が後で出てきたり、途中途中で観客に見られている体で芝居をしたりと、なかなかに複雑なことをしている。
それにしても特殊な脚本で、よくこういうことを思いつくよなと感心する。本作にて公演はしばらくお休みになると知っていたので、ラスト間際での岩谷健司と岡部たかしの演技には何だかしんみりしてしまった。

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