ディレクターズ・カット(歌野晶午)★★★☆☆ 12/10読了

報道ワイド番組の人気コーナー「明日なき暴走」で紹介される、若者たちの繰り返す無軌道、無分別な行動が、じつは下請け制作会社の有能な突撃ディレクター仕込みのやらせだった。やらせディレクターはさらなる視聴率アップを狙い加速度的暴走を開始。職務停止に追い込まれながらも、警察の裏をかいて連続殺人鬼とコンタントをとり、しかもそれを映像に収めたいディレクターの思惑どおり、殺人鬼は生中継の現場に現れるのか!?ラスト大大大どんでん返しの真実と、テレビ人間の業に、読者は慄然とし言葉を失う!

歌野晶午の小説では、登場人物の性別とか年齢とかを憶測すると痛い目に遭う。今回、その辺はサラッと流していたが、とにかく全てを疑ってかからなければならない。というわけで、どんでん返しなのだが、なぜかあまり「やられた」感はなかった。ただ、それでも話自体は歌野晶午らしくて面白かったね。

ディレクターズ・カット
ディレクターズ・カット歌野 晶午

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