主人公・林ちひろは中学3年生。
出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族を崩壊させていく。
前作『あひる』が芥川賞候補となった著者の新たなる代表作。
主人公のちひろは宗教団体に入ってしまった両親の行動が変だとは思いつつも両親のことをとても愛している。ただ、中学生にもなると、世間のことも色々と分かってきてギャップを感じ始める。そんなちひろの心の動きがよく描かれていた。ラスト、親子3人で流れ星を見るシーンは、両親のちひろへの思いが感じられてとても切なかったね。もちろん小説中の人物なわけだが、ちひろには幸せになって欲しいと思わずにはいられなかった。
星の子 | |
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