競作五十円玉二十枚の謎(若竹七海、他)★★☆☆☆ 7/18読了

店に入るなり男は一散にレジを目指し、五十円玉二十枚を千円札に両替してくれと言う。渡された札を奪うように受け取ると慌てて出て行く。本屋のアルバイト嬢に忘られぬ印象を残した、土曜日の珍客。爾来、彼女が友人知人にこの謎めいた両替男の話題を提供するたび談論風発、百家争鳴すれど決定打は出ないまま。…という紆余曲折を経て成立した、世にも珍しい競作アンソロジー

『ミステリ国の人々』で知った本。本屋のレジでバイトをしていた若竹七海の実体験から生まれた本。土曜日の夕方になるとやってくる五十円玉二十枚を千円札に両替してくれと言う謎の男。なぜそんなことをするのか、そしてその男の元にはなぜ五十円玉二十枚が集まるのか。プロによる解決編2作のあとに公募で選ばれたアマの作品があり、更にプロの作品もプラスされ1冊となっている。
驚いたのが、解決編その1の法月綸太郎が何の解決も提示せずに別の話にすり替えて逃げちゃっていること。その後の公募の選考委員として、色々述べていたが、何も言う資格はないと思う。
個人的には公募で選ばれた高橋謙一(剣持鷹士)と佐々木淳(倉知淳)の作品が良かったね。どちらもアマだったのだが、のちにプロになった。括弧内はプロでの名前。倉知淳がこの時から猫丸先輩ものを書いていたのが驚きだった。

競作五十円玉二十枚の謎 (創元推理文庫)
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